WEBデザインの流行り廃りの移り変わりは早く、制作から5年も経てばユーザーはサイトに古臭い印象を抱いてしまいます。これは見た目のデザインだけではなく、サイト内の情報や内側のシステムの最新性にも言えることです。
また、WEBサイトには見た目のきれいなデザインだけでなく、ユーザーに魅力が伝わるコンテンツが必ずなければなりません。なぜなら、広告を使ってサイトにユーザーを流入させても、情報も古くデザインもかっこ悪く、情報量も薄いサイトではユーザーはページを見ずにすぐ離脱してしまうからです。
さらに、アクセス解析を行いコンテンツをブラッシュアップするためには、ユーザーのサイト内での行動データをとらなければなりませんが、すぐに離脱されてしまうようなサイトでは十分なデータを取得することができません。
そのため、マーケティングDXを行うにあたりまず第一に手掛ける必要があるのが、WEBサイトの制作やリニューアルです。

これまで広告の主流であったマス広告（TV、新聞、雑誌、ラジオ）は、不特定多数の幅広い層へ配信する広告です。一方でWEB広告やSNS広告は、不特定ユーザーを属性や興味・関心データに基づき細かくセグメントして広告配信ができるニッチメディアマーケティングとなります。細かいターゲティングができ、不必要な層への広告配信を除外できるため、マス広告に比べて効率的かつ効果的に広告を配信することが可能です。

さらに、デジタルマーケティングでは、特定顧客（会員）に向けた1to1マーケティングを行うことも可能です。
WEBサイトにMA（マーケティングオートメーション）を組み込むことで、会員登録時に入力情報をCRMへ同期させたり、会員のWEB上の行動履歴をデータとして取得することができるようになります。
これにより、例えばクーポン取得など会員の顕在的な行動や、閲覧ページ履歴などから判別する潜在的なニーズを拾い上げることができます。 集積したデータから特定ユーザーの顕在的・潜在的興味を解析し、そのユーザーが真に興味・関心のある情報をメールマガジンやLINEを使って配信することが可能です。

多くの自治体でよく見受けられるのが、異なる部署によって発注・制作されたWEBサイトが、全て別々の業者によって制作をされていたり、異なるプラットフォーム上で構築されていることです。
この場合、各WEBサイトから取得したデータ（ユーザーがフォーム送信した内容やサイト内での行動履歴）がバラバラのデータベースに格納されてしまいます。これら各サイトのデータを分析するためには、一度全てのデータの形式を合わせてからマージする必要がありますが、それは現実的ではありません。
正しいデータを取得するためには、最初から１つのプラットフォーム上で各WEBサイトを構築し、ビッグデータとなるデータベースに１つに集約することが必要となります。
例えば、観光サイトの会員であるAさんが、アウトドア予約サイトからウォーターアクティビティの予約をし、現地でクーポンを利用した、という一連の情報がWEBサイトを横断してデータベース上で一元管理される状態を作らなければなりません。
これにより、広告費をかけて集めた会員が実際に何を予約し、何を買ったかなどのデータが関連付けられ、施策全体の効果測定を行うことが可能となります。
また、集積したビッグデータを用いれば、地域に訪れるユーザーが求めているものや、今地域に足りないものが明らかになります。そういった明確化したニーズを基に、新たなサービスを生み出したりするなど、様々なマーケティング活動に利用ができます。

たった一度の観光ではなく、繰り返し観光に訪れてくれる人を増やすためには、あなたの街の“ファン観光地化”をしていかなければなりません。 ここでの“ファン”とは、WEBサイト（観光情報サイト）で会員登録をしたユーザーのことを指します。WEBサイトの会員は、あなたの街が好きな人や興味を持っている人たちであり、会員のメリット（最新情報、お得情報）を求めたり、応援をする気持ちを持って登録をしています。
このような熱量の高い会員に向けて、欲しい情報の提供や会員限定企画を行うなど、常にタッチポイントを持ちながら顧客体験（CX）を高めることで、LTV（繰り返しの来訪）の最大化を目指します。
観光マーケティングDXの目的は、あなたの街を知ってもらい（リードジェネレーション）、ファンになってもらい（リードナーチャリング）、CXを高める（カスタマーナーチャリング）ことによって、ファン数の増加と一人ひとりのLTVを最大化させることにあります。
街の魅力を伝えられるWEBサイトを作り、広告で親和性のあるユーザーをサイトに呼び込み、取得したデータを用いてコンテンツ改善を続けながら会員を増やし、そして、きめ細やかなファンクラブ運営を行うことで、ファンを国内から海外まで増やしていくことが、これからの観光マーケティングに必要とされることです。